リフォームで家をきれいに丈夫に保つ

不景気も長いこともあり、新築で建てる人は減少しているようですが、かわりにリフォームを選ぶ人が増えているようです。リフォームを行えば、古い家もきれいに明るくできますし、傷んでいる部分を修復することにより大切な家をより長く丈夫に保つことができます。我が家でも数年前に大幅な修復をしましたが、おかげで快適に過ごせています。
最近の賃貸住宅への引越しですが、非常に荷物が少なくて済むようになっているようです。というのも、家具付き賃貸というものがあり、そこでは引越し業者にお願いする事はなく、本当に最低限の荷物で引越しが出来るようになっているようです。これは、非常に便利だなと思います。そして、家具があったとしても最近ではタンスではなく、収納ケースで済ませている人も結構多いようです。
 熱気を放つアジア市場で、中国や韓国の企業に押され気味な日系企業。国内経済にも閉塞感が漂うなか、茂木健一郎氏はアウェーで戦うことが、日本が元気を取り戻す方法の一つと主張する。科学者の枠を超えた発言で注目を集める茂木氏に、日本の企業が輝くための組織論や仕事論を聞いた。

 ――今回の著書では、アウェーに飛び込むことの必要性を説かれています。

 茂木:アウェーで戦うことは、日本が元気を取り戻すための一つの考え方だと思います。ホームに慣れると、仕事の要領や根回し、上司の機嫌取りといったスキルは上達する。ただ、ホームにいるだけでは、脳に負荷がかからず潜在能力を発揮するチャンスが少ないのです。

 一方、アウェーは偶然との出合いがホームの何倍も用意されている。ルールが半分はあって半分はない世界なので、特定の文脈だけ読むことに長けた人は、どうしていいのか分からなくなってしまう。

 失敗や負けを恐れずにアウェーで戦ってこそ、何が起こるかわからない「偶有性」に向き合う力をつけ、自分の可能性を大きく開くことができるのです。

 ――アウェーとは外国を想定しているのでしょうか。

 茂木:外国もそうですが、今の時代、アウェーは国内と国外を問わず、どこにでもあります。著書では、これを自ら見つけていくフロンティア精神の大切さを説明しています。

 ――日本人には苦手とされる分野ですね。

 茂木:日本人は、自分たちのやり方がいいと思っていても、それを世界に広げようとしない。コンビニは日本が一番進んでいると思いますが、これをもっと広めてもいいと思う。グーグルやユーチューブも、もともと実はローカルなもので、カリフォルニアの一部の人たちが信じている価値観などに基づいています。それを世界に普及させたのです。これは、アウェーに自らのやり方を広めた例と言えるでしょう。

 教育にも一因があるのですが、日本人はルールに対する考え方が固すぎます。アウェーで戦うとは、掟破りをすること。これを私利私欲のためにやるのはもちろんいいことではありませんが、自分の会社の業務を拡大したり、新しいビジネスを切り開くのに掟破りは必要です。後始末はほかの誰かが考えればいい。中国や米国の元気のいい企業は、みんなそうしていると思う。日本人はビジネスの戦場でおとなしすぎます。

 ■管理能力よりも判断力を

 ――日本の企業は意思決定のスピードに欠けると言われることが多いですが、こういった部分にも表われているのでしょうか。

 茂木:交渉の場で「会社に持ち帰って検討します」では競争相手に後れを取ってしまう。意思決定する人は、管理能力に優れた人ではなく判断力に優れた人を据えるべきです。

 一般的に言って、管理系が強くなると組織は弱くなります。日本の国立大学もそれで弱体化した。国も、裁判所や検察が威張ってたらダメです。

 私が勤めていた理化学研究所では、管理の人はつじつまを合わせてくれる役だった。管理部門はルールベースで物事を進めますが、意思決定はそれでは進みません。新しいものを作るというのは、常にアウェー。思い切って飛び込む側面が必ず出てくるのです。

 IBMという会社は、僕が学生のころはパソコン(PC)を作る会社だったけれど、そこを捨ててシステムソリューションの会社に大きく変貌を遂げた。輝いている会社はそういうことができる。

 メジャーで活躍するイチローは決して優等生ではないんです。彼のバッティングフォームを、周囲の人たちは矯正しようとした。しかし、彼は自分の感覚を信じてそれを拒否し、むしろ自分のルールを作った。彼が前年の成績がどんなによくても毎年フォームを変えているのはよく知られた事実です。これからの時代に輝く人は、ルールを自分で作れる人。そのとき独りよがりだったり、あまり深く考えてなかったら通用しない。アウェーで問われるのは、白洲次郎が言うような「プリンシプル」なのです。

 ■興味があるか否かを基準に

 ――組織における「アンチ」と「オルターナティブ」の違いについて言及されています。

 茂木:アンチというのは現状否認にすぎず、結局のところ相手と同じ土俵にいる。本質的な解決を図るには、土俵の外に出る必要がある。世界のPCメーカーがスペックを上げることに汲々としているときに、アップルから「iPad(アイパッド)」が登場した。これは従来のパソコンに対する完ぺきなオルターナティブです。

 アンチを語るのは批評家で、ホームではそれなりの役割を果たします。ただ、アウェーで必要なのは行動する人であって、体を張る人です。オルターナティブが最初から好意的に迎えられるということはまずあり得ないので、自分で引き受けるしかない。

 ――ホームに染まりきらないためのコツとして「20%ルール」を提唱されていますね。

 茂木:検索エンジン大手のグーグルは「勤務時間の80%を通常の業務に充てたら、残りの20%は自分の興味ある研究に使っていい」というルールにしている。この残りの20%部分から重要なアイデアが出てくることも少なくないといいます。興味があるかどうかを基準に仕事をしていると、自然にそれくらいの割合になるのではないかと思います。業務に関係するかしないかを基準に考えていくと、先細りになる。

 本田宗一郎や松下幸之助、井深大といった人たちは、面白いかどうかを生涯をかけて追求した人たちだと思う。井深さんは幼児教育に非常に関心を持っていました。ソニーの本業と関係あるのかと疑問を持つ人もいたでしょうが、いまやエレクトロニクスの会社にとって、教育や学習関連の機器が事業の核になることだって十分ありえる時代になった。

 一昔前には、自動車メーカーの社員がインターネットに興味を持っていても本業とは関係ないといわれていた。しかし、電気自動車(EV)の時代が近づくにつれITS(高度道路交通システム)などとの関連で、不可欠なものになっているわけです。何が本業と関わってくるかなんてことはわからないわけで、自分なりの基準を持つことが大事です。

 ――企業がスリム化を進めるなど、従業員が本業以外のことをしにくくなっているということはありませんか。

 茂木:企業が選択と集中を進めるのは、悪いことではないと思う。アップルの商品はPCとiPad、「iPhone(アイフォーン)」のほかは「iPod」くらいのもので、ラインアップはきわめて少品目に絞っている。それでも好奇心と無縁かといわれれば、そんなことはない。商品を絞ることと、人間として自然な好奇心を持つというのは別のことです。

 創造性とは結びつけることなので、制限はしない方がいい。ここまでと決めたら、そこで終わりになってしまう。私の肩書きは世間では脳科学者ということになっていますが、自分ではそうは思っていません。

 ――人が減り、残業が多い日本のビジネスマンにとって、興味を追求する余裕を持つのは難しいのでは。

 茂木:一つ言えるのは、「忙しい」ということ自体、まず疑ってかかるべきということです。そもそも、こんなに景気が悪いのに忙しいというのはおかしい(笑)。残業をするときに、それが本当に必要な仕事なのか、考えた方がいい。

 日本人は仕事に対する倫理観が強いので、与えられた仕事は黙々とこなしますが、この仕事が会社のビジネスにとって本当に必要なものなのかを上司に聞いて、必要がなかったらやめるべきです。

 日本の両替所では書類を書かせるところが多いですが、外国に行ったらそんなことはしない。つまり、無駄な作業をしているということです。小さなことですが、年間で何時間もの人の時間を浪費していることになる。各セクションでこうした無駄を省いていかなければ、「繁栄なき繁忙」を招いてしまいます。

 ■ガラパゴスではアジアで勝てない

 ――最近はよくシンガポールに行かれるそうですね。

 茂木:共同研究で行く機会が増えました。政府高官とも話をすることがありますが、アジアのエリートはフットワークが軽く、グローバルスタンダードに近い。

 欧米で教育を受け、「エコノミスト」や「フィナンシャルタイムズ」といった世界基準のメディアで情報を摂取しています。そういう意味では、日本は独自の文化圏といえるでしょう。

 シンガポールは小さなアメリカ合衆国という状態になっていて、日本が学ぶことは多いと思う。ハウスメイドはインドネシアやフィリピンからの人たちで、家の中がすでに多国籍になっている。つまり、家庭にアウェーがある状態なんです。

 東京ではアウェーな状態で人と接するということが少ない。それは強みでもあり、「ガラパゴス化」の良さもあるのですが、アジアに出て行くとやはり弱い。

 ――日本の企業では、新興国への駐在期間は3年間が目安とされています。

 茂木:自分のルールが通じない場所で3年というのは、脳の成長曲線という観点からも短い。ちょうど脳が学び始めたころに帰任することになる。駐在期間にしても人によって違ってもいいのに、杓子定規に当てはめる。この人事のやり方もルールに対する硬直した考え方が基礎になっている。

 欧州では、「日本は成長著しいアジアにあってうらやましい」という声をよく聞きます。

 世界がますます多極化する中で、せっかく地理的に恵まれているのにアウェーに向き合うことを面倒と思っていたら発展しない。そこは覚悟を決めるしかないですね。多極化を避けていたら、持続可能な経営は実現できません。

 ――アウェーを見つける必要性がある一方で、ホームを作ることも大事だと言われています。

 茂木:人間、ほっとする時間も必要ですから。外国で日本人同士で楽しむ時間も大事。背伸びして無理する必要はないし、バランスの問題だと思います。アウェーがなくなるのはよくないけれど、両方あって、その中で自分が働きやすい方法を見つければいい。日本人は基礎学力は高いので、そこは自分に自信を持っていいと思う。あとは度胸ですね。アウェーではホームより失敗する可能性が高い。ただ、失敗も慣れてしまえば恐ろしいことではなくなる。場数を踏めば、ショックは弱まるものなのです。(取材・構成/小堀栄之)

 ≪プロフィール≫茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)氏

 脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。1962年東京生まれ。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。2005年、『脳と仮想』で、第4回小林秀雄賞を受賞。09年、『今、ここからすべての場所へ』で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。著書は上記のほか『脳とクオリア』『生きて死ぬ私』など多数。

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